「ないな・・・」
私は成人向け雑誌、いわゆるエ○本を探していた。
コンビニに入り、隅っこの棚。ATMの隣あたりに成人雑誌コーナーがあったような?
キョロキョロとその付近の本のを漁ってみるがそれらしき物はない。
最近は規制が厳しくて置いてないのかな?
先日、8時間近くの癌の摘出手術を受けた友子はその後、入院となり数日経過した。
昨日LINEが入り「必要なものがあるからと届けて」のメッセージを見て私は閃いた。
そうだ!エ○本を紛れ込ませよう!!
はい。完全に私の悪ふざけです♪
彼女の名誉の為に書いておくが、友子はそんなものは一ミリも欲しくないだろう。
はい。そんなことはどうでもいい♪
私は2軒目のコンビニで目当てのもの(エ○本)を手に入れ病院へ向かう。
今はコロナの関係で面会が禁止されているため、差し入れは病院の守衛室に渡すことが決まりとなっている。
紙袋に友子から頼まれていた品とエ○本を忍ばせ守衛さんに渡す。
「○○号室の友子さんのお届け物です。よろしくお願いします」
「お疲れ様です。それでは一応中身を確認しますね」
な!何!?
確認するだと!!!
守衛さんは紙袋の中身をゴソゴソと確認し始める。
や、やめてくだい! ここは病院ですよ!
私の心の叫びも虚しく、守衛さんはエ○本の表紙の妖艶なポーズをしている女性と目が合う。
・・・・
・・・・気まずい沈黙
守衛さんは私の顔をゆっくり見て。
ニコ♪ と、人間が反応に困った時の最終手段。「とりあえず愛想笑い」を出してきた。
私もそんな守衛さんを見て
ニコ♪ と、人間が空気に耐えられなくなった時の最終手段「愛想笑い返し」を出す。
「大切にお預かりいたします。ありがとうございました。」
と守衛さんがお決まりの挨拶をしてくれが、今回は物が物だけに何か意味を含んでいるような気がする・・・
その数時間後
友子からは感謝の言葉とはほど遠い、罵詈雑言の嵐のLINEが送られてきたことは言うまでもない
次回
友子の癌闘病日記 第四話「退院。何が食べたい?」に続く。